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努力するうさぎ

…窓際にOAチェアを置き、特に意味もなく、何かを考えるわけでもなく窓から外を眺める。
昔はこの窓から外を眺めるのが凄く好きだった。
今もそうだが、昔ほどではない。
「…あのさーせーなー」
「んー」
今日は天気がいい。こういう日はゲーセンでも行こうかと思うが、今日はゲーセンという気分ではない。
どちらかと言うと、花見とか温泉旅行に行きたい気分。

T……準番外・大惨事冷戦……


「お前明日提出のレポート書いた?」
「なんで今そんなこと言うのさ…」
全く悪意の無さそうな純粋な瞳で問いかけるナギに、最近はホームポジションと化した席から顔だけを向けて返事をする征菜。
もはやこの流れがホームポジションみたいなものになりつつある。
「やってないのか」
「終わってるよ。ただこう、僕がカッコよくモノローグ語ってる時にそんな現実地味たこと言わないでって」
「いや知らねえよ…」
いつものように人差し指を上に向けてくるくる回しながら話す。昔から話すときはジェスチャーか多いが、最近はこればっかりな気もする。
「ふっ、僕だっていろいろ悩みとかなんとか考えることあるんだがら、その辺、察したまえ!」
「悩みって?」
「ふええ」
何も考えてません。
「…ほら、恋、とか」
「ねえだろ…」
バレテーラカステーラ。
実際何も考えてないから仕方ない。そもそも話しかけてくれなきゃ永遠とせーなの心境を垂れ流すだけの話になってしまう。
それはあまりに面白くなさすぎるし、やっぱ何も考えてないから下手したら点々が永遠と並ぶ記事になってしまう。
それはそれで面白そうだが、3回くらいやったらその日を境にPV数9割減くらいになりそうだ。
「お前しょっちゅうそこに座ってるけど、実際なんか考えてるのか?」
「…いや、特に、何も」
目線を逸らすように外に向けながら苦しそうな返答、別に隠すことでもない気もする。
「…なんていうか、ボケーッと外眺めてるだけでも楽しいっていうか、心が穏やかになるじゃない?」
「そうかぁ?私にはよく分からんが…」
「よく、1人が好きって人いるじゃん?あんな感じだよきっと。僕は出来れば誰かと居たいけどね。」
「カピバラか何か」
確かにカピバラは群れで生活してるイメージだけど、凄くボケーッとしてるイメージもある。
「ナギたんは単独で生活する小魚みたいな感じだね」
「なんだそのすぐ死にそうなの…」
「斬矢はリスとかイメージで、彩は~…」
「牛だろ」


「…ふぁ、はっくしょん!!」
「ん?姉御、風邪か?」
「んん…いや…そんなはずは…」


「あー、うん。分かる気がする。」
「むしろそれ以外に浮かばないというか、ああいうキャラって大体牛って言われると思うのだ」
「全世界の巨乳ロングキャラがブチ切れそうですねー」
実際牛が乳デカイかどうかなんて知らないけど
「さっきはカピバラとか言ったけど、私的にはせーなはうさぎかなぁ」
「うさぎ?」
○ゐか何か
「普段元気でぴょんぴょん跳ねてて、常に誰かに引っ付いたり2人で居たがる感じが、よくうさぎは寂しいと死ぬって言うし」
「うさぎかぁ…」
なんか昔似たようなこと言ってる奴いたような。
お互いの脳裏に真っ白で長い耳を立てながらぴょんぴょん飛び跳ねる征菜のイメージが浮かぶ。バニーガールとかとはなんか違う。
最近背も伸びて顔も若干大人びいてきた征菜には合わないような気もするが、今までのイメージが強い分まだまだイケそうな気もする。
「うさぎってなんて鳴くかな?にゃー?にゃー!」
「うさぎは基本的に鳴かないだろ」
「にゃー!」



…で、次の日の朝。



「…っていう話を昨日しててさー」
「なんで私が牛なのよ…」
いつもの駅のホーム。電車が来る15分前には集まってなんとなく雑談するのがいつものスタイル。
もちろんそれは今日も
「やっぱ巨乳は牛のイメージが…」
「せーちゃんなんで今日は巨乳押しなの」
知らんがな
「男の娘はどうやっても貧乳になるからな!」
「なるほど!」
これでもかと言わんばかりのキメ顔でナギが言う。別にパッドとかあると思いますが。
「なんで僕が男の娘だからーみたいな話になってるんですか」
「えっ」
「えっ」
10秒ほど時が止まる。
正直今もちゃんと男子の制服きてるし、そんなに男の娘要素はないはず。
「…うちがリスかぁ…」
無言に耐えられなかったのか、突然斬矢が声を出す。
スッカリ忘れていたが、今年から僕らは高校二年生で、斬矢は高校一年生になったんだった。だから朝も同じ電車になる。
元々学校関連の話をあまり投稿しないあたナギには、関係ないといえば関係ない。
「まあ特に何も考えないで言ったんだけどね」
「ええ!?」
相変わらず片目しかないのに表情豊かに反応してくる。独眼竜政宗とかよく言うけど、多分政宗はこんなに表情豊かじゃなかったと思う。
「ナギたんは斬矢はなんのイメージだと思う?」
「うーーーん…猿?」
「猿!?」
「ごめん何も思いつかなかった」
こうして考えると、あんまり斬矢に合う動物が思いつかない。いつからそういう話になったのかよく分からないけど
「私も思いつかないわねぇ…やっぱせーちゃんのうさぎのイメージが凄く合ってるわね」
「そうかなー」
「雪うさぎみたいな」
彩は昨日のナギと考えてたイメージとはちょっと違う模様。
「もふもふしてて暖かそー」
「…それは彩が抱きしめ癖あるから思うだけでは…」
ナギのイメージだと、自分からぴょんぴょん引っ付いていく感じらしいから、やっぱ人によって感じ方が違うのかもしれない。
もしかしたら僕のことをライオンとかいう人も居るかもしれない。居ないと思うけど
「牛に抱かれるうさぎとは」
斬矢さんそれ『牛に乗っかるうさぎ』とかは思いつかなかったんですか
「でも確かせーな体温高かったよな」
「ナギたんよくご存知で」
平熱が36.7度くらいだったはず
「あら、じゃ、やっぱりせーちゃん抱いてれば冬でもぽかぽかね」
「それは違うんじゃ…」
「こいつの手ぇすげえ温かいだよなぁ」
相変わらず胸の前辺りでくるくるジェスチャーしてた征菜の右手を掴む。
しゅんっと冷たい感覚が右手を伝わってくる。今はホームにいてあまり感じなかったが、そういえば今朝は風が強くて寒かった。
「よく手が温かい人は心が冷たいとかいうよねー」
素直に相手の手の冷たさを感じて思い出したことを口にする征菜。自虐ネタなのか本当に思っただけなのか。
「確かによく言うわねー」
「うちもよく手が冷たいって言われるのじゃ」
「多分せーなの手が特に温かいんだと思うのだ」
3人してお互いの手を触り合って適当に感想を言い合ったりする。
右手の冷たい感覚が次第に自分の体温で薄れていくのを感じながら、そんな3人を眺める。なんか今すごく楽しい。

「…ん?」

ここに居るのは、僕とナギと彩と斬矢の4人。3人がお互いの手触るだろ、1人が僕の右手触るだろ。僕3人眺めるだろ。あれ。
なんかおかしいと思って右手の方を見ると、見覚えのある白くて小さな手が両手で僕の右手を握っていた。…。
「ひさしぶりー」
「…!な、なな!!」
自分とあまり変わらぬ身長に肩につくほどのボリューミィなショートヘア、もう見慣れた顔だが、実際今日はひさしぶりになる。
「な、なんでここに!!」
顔を真っ赤にしてばっと振り払って左手で右手を押さえる。
「なんでって、普通に学校行くんだけど」
「あ、ああそっか」
「はは、何そんなに慌てる事あるんだよ。お前も代わらないなぁ…」
「…そう、かな。なんか嬉しいなぁ…」
ああでもないこうでもない昔話に花を咲かせる2人。なんかぎごちない感じもするが、爆発してくれオーラが

「…あれ、誰かしら」
「ん?ああ、せーなの昔からの"友達"じゃなかったっかな」
何故かお互いの手を握りしめたまま彩の質問にナギが答える。
征菜と楽しそうに話している少女を眺める。間もなく2人で女の子にありがちなマシンガントークを続けている。片方男だけど
「なんか、せーな、いつもと雰囲気違うのじゃ」
「そう?私にはいつも通り元気に見えるけど…」
にこにこ笑いながら大袈裟なジェスチャー付きで話し続ける。そっちの高校はどうとか部活がどうとか、他の人が入る余地はあまりなさそう。
「……。…不思議な感じだなぁ」
意味もなく手を握りしめたままナギが言う。
「うん?」
同じく意味もなく握りしめたまま彩が言う。
「何がじゃ?」
「いやさ、せーなとはもう6年くらい一緒に居るし、何をやっててもせーなの隣りに居たけどさ。あんな風に、せーなが私たちに、なんていうか、近寄らせないような雰囲気出してるのは初めてだなぁって」
「ああ、なるほど、それで変な感じがしたんじゃな…」
時々少女がせーなの手に触れようとするが、征菜は異常にそれを拒んでるように見える。
なにか嫌な理由でもあるのか、それか触れられない理由でもあるのか、普段はどちらかと言うと触ってくる方なのだが…。
「…なんかそれだけじゃない気もするわ…」

「…あ、もうすぐ電車来るな、じゃあまたな」
「う、うん!!じゃ!また今度!」
「んー」
ホームの端の方へ歩いていく少女に対し、いつものように大きく手を振る。下手したら、いつもより大振りな気もする。
少女は振り返ろうとはせず、軽く手を振るだけ、おそらく征菜のバカみたいな挨拶は見えてない。
「随分と楽しそうだったな」
「あ、ナギたん、いやー、会うのひさしぶりだったからね。ごめんみんな待った?」
「ううん。大丈夫よ。あの娘だれなの?」
もはや離すタイミングを見失ったように手を握りあったまま彩が聞く。
「うーん?ま、、幼馴染?みたいな」
あまり焦点が合わない目で言う。
ナギは『友達』と言ったが、征菜は『幼馴染』という。確かに幼馴染なんて傍から見れば友達みたいなもんである。
「ふーん。せーちゃん女の子の"友達"多いわよね~」
「このナリだからな」
「うちらの場合は友達カテゴリーとかなんか違う気もするのじゃが」
「愛人じゃないかしら」
「愛人3人か」
「糞野郎じゃな」
「なんで勝手に僕が糞野郎って話になってるの…」
現実問題、男子高校生1人に女子高生3人で歩いてたら糞野郎にしか見えない気もする。
「ははは。でも、幼馴染とかいうわりには、いままで見たことない気もするけど?」
「まあね、ま、それくらいで仲悪くなるんじゃ、そりゃ本当の友達じゃないって事さ。…ていうか、いつまで手ぇ握ってるの」
よくぞ聞いてくれましたとも言わんばかりに手を離す。完全にタイミングを見失っていたらしい。
「じゃ彩とせーなは友達じゃないって事だな」
「なんでそうなるのよ」
「5日くらい離れ離れにしてたら彩が発狂しそうだから」
「んなわけないじゃな~い」とか「姉御ならありそー」とか、楽しそうに話す。最近はこの姉妹とナギもかなり仲が良くなったと思う。
「………………。」
向かって右側から電車が入ってくる。さっきの少女も、せーなたちも、乗る電車だったりする。
何も言わず、せーなが扉が目の前にきそうな位置に移動していく。実は無駄に征菜が扉の位置を把握してため、黙って歩いていく征菜について行くのが、いつもの流れだったりする。
「……………………。」
時々征菜は無口になったりする。聞くと本人は毎回「何も考えてない」と言うが、ナギは何考えてるかちょっと気になってたりする。
電車が完全に止まるまでのほんの数十秒、ズボンのポケットから携帯電話を取り出し、素早い手つきで何かを確認する。そのままポケットに戻すと同時に列車に乗り込む。
この朝の時間帯は人が多いが、それも一年も通えば慣れたもんである。
それに合わせるように1つ前を歩く征菜に彩がこんなことを聞いた。
「…あ、そうだ、ねぇ、せーちゃん。今度あの子紹介してよ」

「…そ……だ………

「…えっ?」
「………?彩、今なんか言った?」
後ろを振り返っていつもの笑顔。
「…いえ…なんでもないわ」
「ははは、変なの~」


…その日はそのまま、いつも通り学校にいき、目立ったこともなく、なんとなく1日が終わった。
それから2、3日経ったが、あれならその"幼馴染"とまた会うことはなく、また普段通り1日が終わり…
「………あのとき」
「ん?どうした姉御?」
リビングのソファ、無駄にでかいそれに普段着のまま寝っ転がりながら天井を眺め、ふと思ったことを口にする。
「…いえ、この前、せーちゃんの幼馴染の子に、会ったことあったじゃない?」
「ああ、そうじゃな」
「あの日、最後に『今度紹介して』って言ったのだけど、そんときせーちゃんがね、絶対」

『それはだめ』

「…って、言ったのよ」
「せーなの奴がそんなこと言うわけないじゃろ」
「絶対言ったのよぉ!私も、せーちゃんがそんなこと言うわけないと思ったんだけど…」

『彩、今なんか言った?』

「…あれは10人は殺してきた顔だわ。」
「いや、ねぇだろ…」
「…どっちにしても、あの子があんなにハッキリ拒否するなんて、ねぇ…普段のせーちゃんなら『えーwなに彩~、気になるよー』とか言いそうだけど…」

…10人殺したどうかはさておき、妙に征菜とあの子の関係が気になる彩であった。
















『無題・本文 ……………………なんで話しかけたの』
「………。」
誰もいない部屋、相変わらず薄暗い。滅多に鳴ることのない携帯電話、今日は鳴った。

「……………………。」







……続く、かもね。
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Author:セーナ
妄想日記書いたりオリキャラのイラスト描いたりしてる。




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