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田舎じゃよくあることだね

「…ほわぁ…」
…また雪が降った。しかも今朝は死ぬほど寒い。


T....いつもの登校時のよくある話....
.


「やーだー!今日は学校休むのだー!」
「馬鹿なこと言ってないで、ほら制服ここ置いとくよ」
今日はとあるよくある普通のクソ平日の火曜日。今朝は異常に気温が低い。
ふと、窓から外を見ると、地面には薄っすらと雪が積もっているのが見える。
今年はもう降らないと思ってたのに、旧暦だともう春なのにこの雪国ときたら、まだ降るか全く…。
「さーむーいー、もうちょっとここに居たいのだ…」
いつもの投稿時刻…じゃない、いつもの登校時刻が着々と近づいているというのに、ナギは今日も布団からでようとしない。
「昨日は普通に学校行ってたでしょー、ほら早く、遅刻するよー?」
…返事がない。まるでただの屍のようだ。
しばらく待つと、ナギは布団から目から上だけを出して…
「…せーなは私の事が好きとか言っておきながら、なんでそんな意地悪するのだ…」
「意地悪じゃなくて、学校は普通に行かないと駄目っ。しかも僕らまだ中学生なんだから、少なくとも義務教育の間くらいはキチンと行かないと、勉強は子どもたちに与えられた権利じゃなくて義務なんだから」
最近の征菜は、こういう事を喋り出すと何故か長くなる。
「…お前、最近喋り方変わったよな」
「そう?ほとんど変わらないと思うけど…?」
こうやって頭上に疑問符を浮かべる時の表情は昔から変わらず可愛い。…いや、ちょっとは変わったかもしれない。
「…って、今ナギたん、話逸らそうとしたでしょ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
無視した!今この人完全に無視した!思いっきりそっぽ向いたよ!!
「…今日は、お休みなのだ」
イラっ…。
「…全く…ぐだぐだと毎日毎日同じ事を言わせて…」
「…あ″っ」
…征菜も少しは変わっている。


「…馬鹿なこと言ってねぇーでさっさと起きろぉおおおおおおおおお!!!!!!!!!!」



物凄い勢いで布団引っぺがされた。






「…あー、寒い、死ぬ、せーなのせいで死ぬ」
「氷点下5度程度で人は死にません、北海道見なさい北海道」
「…私は別に北海道に住んで居ないのだ」
「…お、お前それロシアでも同じ事を言えんの?」
「だから私は北海道にもロシアにも住んでないって!」
「た、確かに…」
完全に破論される征菜、ちょっと悔しそうである。
ちなみに、ナギは布団からさえ出してしまえば後は簡単で、今はさくっと登校路についている。
…にしても今日は妙に寒い、さっきナギには天気予報通り氷点下5度と言ったが、体感温度はもっと寒く感じる。風が冷たいのかも。
征菜はでっかいベンチコート、ナギは同じく大きなダッフルコートをそれぞれ黒色のを着ているが、それでも寒いものは寒い。
「…はぁ…全く、ポケットに入れてても全然手が暖かくらならないではないか…」
征菜もナギもポケットに手を突っ込んでいるので遠目で見たら軽く怪しい2人に見える。
「んー、どれどれー、ナギたん、ちょっと手貸して」
「えー、どうせ冷たいぞー」
文句をいいつつもポケットから手を出すナギ、なんだかんだで優しい。
同じように征菜もポケットから手を出すと、そのままナギの手に触れ
「なんだ、結構あったかいじゃん」
と、続けてナギは
「いや、お前の方があったかいぞ、パンでも作ってみたらどうだ?」
流石に太陽の手は持ってない。
「いいなー、こんなあったかい手で」
「はは、別に自分の手が温かくても寒いものは寒いよ。でもこうやってナギたんを温めるくらいには使えるよーん」
そう言いながら自分の手を出すナギの手に擦り合わせる征菜、片手なのに器用なものだ。
「ふふん、全く、お前はこんな道端で恥ずかしくないのか?」
「道端って言ってもこの田舎じゃそうそう人には合わないよーんだ」
「それもそうだな」と笑い飛ばす2人、朝から元気である。しかし他から見ればただの朝からうるさいバカップル、うざいだけである。
そう、例えるならば…
「でもあれだよな、手が温かい奴は心が冷たいとか言うよな」
「「!?」」
…って言ってやりたいくらい。
「…お主ら、朝から道端で恥ずかしくないのか?」
「き、斬矢!何時の間に!」
振り向くとそこには茶色のダッフルコートを着た右眼眼帯の人が立っていた。
「…今なんか、凄い失礼な言い方された気がするのじゃ」
「「は?」」
「いや、なんでもない」と顔を振る斬矢。全く、変な娘だ。
「と、とにかく、斬矢いつから後ろに居たの?」
「さっきその角からお主らが手を握り合ってるのが見えてな、それで気になって追いかけてきたのじゃ」
「わ、私、見られてたって思うと急に恥ずかしくなってきたのだ…」
頬を赤めるナギと「たはは~…」と苦笑いする征菜、馬鹿ばっかりとは正にこの事。そこに追加攻撃と言わんばっかりに斬矢は憎たらしい笑顔で
「こんなに風は寒くても、随分と熱いお二人じゃったな」
「う、うるさい!斬矢のバーカ!1人で言ってろ全く…」
そう吐き捨てるとナギは征菜と斬矢を置いて歩き出してしまった。
「はは、相変わらずナギはまだまだ子供じゃな、それとせーなも」
「ぼ、僕はナギみたいに拗ねたりしないもん」
そう言うと同じく歩き出す征菜。ちなみに征菜は、ナギが聞いていない所では今のようにナギの事を普通に「ナギ」呼んでいたりする。
「くくっ、それで十分拗ねてる様に見えるじゃ」
斬矢はぴょこぴょこ楽しそうに征菜の隣に寄ってくると、またしばらく憎たらしい笑みを浮かべていた。
「…そういえば彩は?」
前を行くナギの背中を見ながら征菜はふと思った事を口にする。
「今日は朝から用事があるとかで早くから学校に行っておる、じゃから今は私1人じゃ」
「ふーん、あ、今斬矢は一人称いつもと変えたでしょ~?ちょっと不自然だったよ」
「べ、別にうちがどんな一人称使おうとよいではないか」
まぁそれもそうである、しかも元に戻ってる。
「…あ、そういえば斬矢の手はどんな感じのなの?」
「ん?ほれ」
先ほどまで胸の前で組んでいた腕を解いて手を差し出してくる斬矢、つられて征菜も手に触れるが…
「冷たっ!!」
「私は生まれつき手が冷たいのじゃ」
「へぇ~…」
しかもまた一人称変わってるし、今度は突っ込まないけど。
「あ!てことは斬矢は心の温かい人ってこと!」
「ふっ、ま、そういうことじゃな」
「うわ、そういう風に言われるとムカつく」
「何がしたいのじゃお前は!!」
何がって…別に。
その後もダラダラと雑談しながら歩を進める征菜と斬矢とその前方のナギ。一体いつまで拗ねてるつもりなのやら…。
「…あっ」
「ん?」
「どうしたのじゃ?」
と、思った急に立ち止まって小さく声を上げるナギ。何事。
「あ、いや、この先道が凍ってるなって…」
「え!マジで!どれどれ~?」
征菜がナギの隣まで寄ってきてその先の道を見てみると、溶雪用の水で見事に学校まで全部こうなんじゃないかってくらい道が凍っていた。
「わーお…」
「うーむ、見事に凍っておるな」
「うん、つるつるって感じなのだ」
一頻り感想が言い終わるとまた進み出すナギ。すかさず征菜が
「あ、ナギたん、あんまり無防備で行くと滑って危ないよ」
と、注意をする。雪国ではこういう時、スノトレという運動靴の裏に鉄の金具の付いた靴を履いて滑らない様にするのだが…。
「大丈夫だ、そんな子供じゃあるまいしこの程度で転ぶわだぁああ!!」
…ナギは見事に転んだ。お尻から思いっきり。
「…ぷっ、あぁはははははは!!何やってんのさナギたんんんwwwwwぷぷーwwwww」
「…ぷっ、くくくっ、だから言わん凝っちゃないのじゃwはははははははwww」
「わ、笑うなー!!物凄い恥ずかしいではないか!!!」
倒れたまま耳まで真っ赤にして反論するナギ、しかし面白いものは面白い。
「あはははははwwほらwww手、貸すから早く立ってwwwぷっwwww」
「笑すぎだバカ!!!」
ナギは征菜が差し出した手をパシッと振り払うと、普通に自分で立ち上がってしまった。ちょっと笑いすぎたか…。
「なんでい、人が優しくしてあげてるのに」
「そんな偽善みたいな優しさいらんわ!」
偽善とは失礼な、ちょっとからかっただけなのに…。
「ふんっだ…」
そう言うとまたナギは歩き出してしまった。なんとまぁ…。
「…なんとまぁ、今日も寒いね」
「そっちかよ!」
隣の下の方から斬矢がツッコミいれてきた。ちなみに下の方ってのは身長がアレって意味。
「だってさー、もう三月だよー?昔の暦だともう春なのに、外は寒いし雪は降るし地面には氷が貼ってるし…」
「はは、たしかにそうじゃな…」
斬矢はダッフルコートに顔を埋めると、「はふー…」と一息。そして
「…こんな日は熱いお茶々でも飲みたいのじゃ」
おじいちゃんかあんたは。
「何を言うか、うちはせーなより一つ年下じゃ」
「そういう意味じゃなくて…」
斬矢はまたいたずらな笑顔で「くくくっ」と笑う。僕にはこの時の、斬矢の吐く息が白くなっていたのが妙に印象的だった。
「…うちは一つ年下、もうすぐせーなは高校生…」
「・・・・・・・・・。」
ふっと淋しそうな顔をする斬矢、こういう時は何も言わないのが吉だと僕は昔から考えている。でも今回は一応コメントしておく。
「…あずにゃんみたいだね」
「…お主はもうちょっとかっこいい事を言えぬのか…」
…やっぱ言わない方が良かったかも。
「…えーと」
斬矢がじとーっとした目で見つめてくる。ああ、やめて、この空気に潰されそう。僕には分かる。斬矢の瞳が
『ほら、なんかかっこいい事言ってよ、ねぇ…』
と訴えているのが痛いほど分かる!な、なんか言わなくては!
「え、えーと、…高校生になっても、ずっと友達でいような、斬矢」
可能な限りのイケメンボイスを出してみる。自分でもいつものギャップとかで気持ち悪いと思う。
「え!あっ、う、うん!」
お、案外効いてる。それじゃあ…。
「…いや、でももしかしたら、友達以上かもね」
調子に乗る征菜。
「…あ、あんまりアホな事言っておると、き、斬るぞ」
頬を赤めながら服の袖からカッターナイフをちらつかせる斬矢…。
「…って!それは洒落にならない!」
そんな初期を思い出す様な真似しないで!
「うう~、あ、えーとっ、よいのか?ナギの事ほっといて」
「え?あ、ん~…」
照れながら急に話を逸らす斬矢…嬉しいような悲しいような…そんな効いたのか、僕のイケボ…。

…深夜にこっそりイケボの練習しててよかった~…。

…そういえば、さっき転んだのがよっぽどムカついたのか、ナギはそこらじゅうの氷という氷を割りながら僕らの前方を歩いていた。
おかげで後ろを行く僕らが転ぶ心配は全くない。
「くそぉ…くそぉ…くそぉ!」
向こうの方でぶつぶつ言いながら氷を割り続けるナギ。
「…ま、まぁ、見た感じ元気そうだし、しばらくしたら機嫌直すだろ…」
パロネタやるくらいだし。ていうか、あのネタはどっちかと言うと僕やるべきかと。
「…あのネタは、せーながやった方が似合うと思うのじゃ」
「…どういう意味ですか」
他人に言われるとちょっとムカつく。
さっきも言ったけど、確かにあのネタはナギより僕の方が似合うかもしれない。でもキャラ的には馬鹿にされてるような気がする。
「……見た目もあるが…」
…斬矢は軽く悩んだ後、ふっと笑ったのち最高の笑顔で言い放った。



「…お主が馬鹿って意味じゃ」
「馬鹿に馬鹿って言われた!!」
「どういう意味じゃ!!!」
どういうも何も、斬矢が馬鹿ってこと…とは流石に僕には言えない。
と、その時、さっきまで一心不乱に氷を割っていたナギが急に振り返って…
「…どっちも馬鹿なのだ」
「「おいこらそこ!」」



…ああ、なんで僕らは朝から漫才やっているのだろうか。







ちなみに、その後はきゃーきゃー騒ぎながら普通に学校に行きました。




































彩「…ねぇ、私の出番は?」
征菜「ない」
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Author:セーナ
妄想日記書いたりオリキャラのイラスト描いたりしてる。




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